決算短信と有価証券報告書の違いとは?

 他社のコーポレートサイトからIR情報を見ようとしたとき、どの書類を参考にすべきなのか、わからないことがあるかと思います。

 上場会社が投資家向けに作成する決算資料として、「決算短信」と「有価証券報告書」があります。どちらも会社の財務状況に関する情報が載っていますが、どのような違いがあるのでしょうか。

名称 決算短信 有価証券報告書
根拠 証券取引所のルール 金融商品取引法
開示期日 決算日から45日以内 決算日から3ヶ月以内
情報量 少ない 多い
期待されるもの スピード 正確性

決算短信

 決算短信は、証券取引所のルールにのっとって作成し、証券取引所に提出される書類です。決算短信の重要なポイントは、開示の「スピード」になります。開示する情報量は重視されない代わりに、素早く情報を開示することが求められます。

 決算日から45日以内の開示が義務付けられています。日本では3月を決算月と定めている会社が多いため、ゴールデンウィーク頃に上場会社の決算短信が開示されるケースが多いです。

有価証券報告書

 有価証券報告書も、上場企業は提出を義務付けられている決算に関する書類になります。 有価証券報告書は、金融商品取引法にのっとって作成されます。こちらは上場会社だけが対象ではなく、一定規模以上等の条件に該当する会社が対象となります。

 有価証券報告書の重要なポイントは、情報の「正確性」になります。開示されるスピードは重視されない代わりに、正確な情報を開示することが求められます。そのため、監査法人という社外の専門家が「この財務情報は適正である」とお墨つきを与えた情報が開示されています。

 決算日から3ヵ月以内に開示することが義務づけられています。したがって、3月決算の企業の有価証券報告書は、6月下旬にならないと入手できません。

企業のIR情報を調べる際には、ご参考にしてみてください。

上野